みんなネガネをかけている

臨床心理士と小さな塾の先生をやっているOQCの雑記帳。twitterでの発言や考えたことなどをまとめています。

感情コントロールについて 4 

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さて、今回で感情コントロールについての話は最終回です。

感情を他者に受け止めてもらう

おそらく、感情のラベリングということを考えたことがなくても、怒り・悲しみ・苛立ち等の感情は自覚されている方がほとんどだと思います。 それは、今まで成長してきた過程で、誰かに感情を受け止めてもらい、そして言語化してもらっていからだと考えられます。 まだ小さな子どもの頃、最初に感情を表現したときに「うれしいのね」、「怒ってるんだね」等周りの人達が言語化してくれたものがラベリングの基礎になっています。 また、他者から音声言語として言葉にしてもらったものだけでなく、身近な人の体験を聞いたり、メディアから取り込んだ知識もラベルとして活用されていると思います。

感情が受け止められないとき

最初の感情のラベルは他者に言語化してもらうことでできていくと書きましたが、それがうまくなされなかった時はどうかという話をしようかと思います。 ブラック企業の話で聞くのが「つらい」と言うと「つらいのはお前だけではない」と叱責されたり「そんなのはつらい内に入らない。もっと頑張れ」と根性論を押し付けられたりというものです。 自分が感じた感情を人に受け入れてもらえないとき、人は葛藤状況に陥ります。 自分はつらいのか、つらくないのか、それがわからなくなり、現実感がなくなっていきます。 自分がつけた感情のラベルを他者が否定すると、その感情をないものとして扱ってしまいがちになる。心と体は地続きですから、それが続くと、心身の不調として表れることもあるかと思います。 自分で自分の感情にラベルをつけること。それを他者に受け入れてもらう。これが共感の基礎にあると考えられます。

感情を「受け止める」って大変じゃない?

「受け止める」という言葉には、その人のすべてを許すというようなイメージがあります。 実際にはそうではなくて、他人の心のなかにその人が表現した感情があることを認めるだけでいいのだと思います。 言い換えれば、感情を否定しないこと。 その人が悲しいと言えば、「悲しんだ」と認める。「怒っている」といえば、「怒ってるんだ」と認める。 特に小さな子どものうちは、これが大切になります。 その感情が自分の中にあることを認めてもらえない限り、気持ちを切り替えることもできないからです。

気持ちを切り替えてもらいたくなるよねーという話

とはいっても、身近な人であれば身近な人であるほど、悲しんでいる姿は見たくないものです。 つい「元気になるにはないしたらいい?」とか「泣かないで」と言ってしまいたくなる。 しかし、自分の気持ちにラベルをつけることは本人にしかできません。 周りの人は、ラベルの材料になるように言語化のお手伝いをしたり、ラベルが上手に確認できるように受け止めることをすることで十分です。

自分の気落ちのラベル付けに困ったときは

どうやっても自分の感情がわからない、感情と向き合うととても怖い。そんな人もいると思います。 長年感情を蔑ろにされてきた人は、途方に暮れることもあるかもしれません。 自分の感情に名前をつけ、ネガティブな感情と歩んでいくためには時間も経験も必要です。 カウンセリングや心理療法の多くが、そのお手伝いをするときに役立ちます。 自分では難しいと思う時は、専門家の力を借りてみることもおすすめします。

インサイドヘッドを観よう!

最後に、「インサイドヘッド」という映画をおすすめします。 感情を擬人化し、それぞれの役割をユーモラスに解説しています。 とても心理学的なテーマなのに、説教臭くない。見終わったときに、自分の感情が大切に思える、そんな映画です。 Huluでも配信しています。